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関関同立化学で係数比と質量比を混同する人へ|molを経由する計算手順
関関同立化学で係数比と質量比を混同する人へ|molを経由する計算手順
化学反応式の係数比は、反応で消費・生成される物質量(mol)の比です。質量(g)の比ではありません。質量が与えられた問題は、いったんmolへ直し、係数比で別の物質のmolを求めてから、必要な単位へ戻します。
関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学を化学で受験する人のうち、反応式は書けるのに量の計算で迷う人向けに、係数比と質量比を区別する手順を整理します。参考書の追加や難問演習の前に、どの行で単位と物質が切り替わるかを確認しましょう。
この記事の要点
高校化学の量的関係を扱う記事です。大学別の出題頻度や入試方式は扱いません。例題は独自作成で、指定した反応が完全に進み、副反応・損失がないと仮定した理論上の計算です。実験手順ではありません。
係数比と質量比は何が違うのか
係数比を使うのは、物質量を別の物質の物質量へつなぐ場面です。各物質の1 mol当たりの質量は違うので、gの数値へそのまま係数を掛けてはいけません。
例として、水素と酸素から水ができる反応を考えます。反応式は 2H2 + O2 → 2H2O です。水素2 molと酸素1 molが反応すると、水2 molが生成するという関係を示します。
この例では原子量をH=1、O=16とします。モル質量は水素2 g/mol、酸素32 g/mol、水18 g/molです。係数に各モル質量を掛けると、反応する質量の比が分かります。
| 比べる量 | 水素 H2 | 酸素 O2 | 水 H2O |
|---|---|---|---|
| 反応式の係数 | 2 | 1 | 2 |
| 消費・生成される物質量 | 2 mol | 1 mol | 2 mol |
| 対応する質量 | 4 g | 32 g | 36 g |
したがって、物質量の比は2:1:2でも、質量の比は4:32:36、簡単にすると1:8:9です。「水素と水の係数が同じだから、水素1 gから水1 gができる」とは言えません。
係数から物質量を結び、質量との変換を挟む考え方は、OpenStax『Chemistry 2e』4.3で確認できます。
質量から生成量を求める4つの手順
最初は「質量からmol、molからmol、molから質量」と段階を分けると、係数を使う場所が明確になります。計算に慣れてから1本の式へまとめても構いません。
水素1.2 gを、十分な量の酸素と完全に反応させると、水は何gできるでしょうか。原子量は前節と同じで、できた水はすべて回収されると仮定します。
- 反応式と条件を書く。2H2 + O2 → 2H2O。酸素は十分にあるため、与えられた水素がすべて反応します。
- 水素の質量を物質量に直す。n(H2) = 1.2 g ÷ 2 g/mol = 0.60 mol。
- 係数比で水の物質量を求める。n(H2O) = 0.60 mol × 2/2 = 0.60 mol。
- 水の物質量を質量に戻す。m(H2O) = 0.60 mol × 18 g/mol = 10.8 g。
2つの「2」は、水と水素の係数です。水のmolを求めたいので、求める水の係数を分子、出発点である水素の係数を分母に置きます。係数が同じでも、モル質量は違います。
水が水素より重くなるのは、酸素も水の一部になるからです。この条件では酸素0.30 mol、つまり9.6 gが消費されるので、反応した物質の質量は1.2 g + 9.6 g = 10.8 gと一致します。
数値の大きさだけで判断しない。生成物の質量が、片方の反応物より大きくても不自然とは限りません。もう片方から加わる質量と、残った物質も含めて確認します。計算では問題文の原子量と有効数字の指定を優先してください。
反応物が2種類あるときは不足する側を確認する
両方の反応物の量が指定されたら、最初に入れた量ではなく、実際に消費できる量を係数比で結びます。片方が余ることがあるためです。
同じ反応で、水素0.60 molと酸素0.20 molを用意し、反応できるだけ完全に反応させるとします。水素0.60 molを全部使うには酸素0.30 molが必要ですが、酸素は0.20 molしかありません。先に酸素が使い切られます。
このように生成量を制限する反応物を、限界反応物と呼びます。高校の問題では、名称の暗記以上に「どちらが不足するか」を式で説明できることが大切です。
molを係数で割って比較する
1つの反応式で完全反応を考えるなら、各反応物のmolをその係数で割り、小さい側を確認できます。
- 水素:0.60 ÷ 2 = 0.30
- 酸素:0.20 ÷ 1 = 0.20
酸素側が小さいので、水の生成量は0.20 × 2 = 0.40 mol、質量は0.40 × 18 = 7.2 gです。単にmolの小さい物質を選ぶのではなく、必要な係数をそろえて比較します。
消費される水素は0.20 × 2 = 0.40 molです。最初の0.60 molから引くと、水素が0.20 mol、つまり0.40 g残ります。酸素はこの条件では残りません。
初めの総質量は水素1.2 gと酸素6.4 gの合計7.6 gです。反応後は水7.2 gと残った水素0.40 gで7.6 gになります。生成した水だけを初めの総質量と比べると、残量を見落としてしまいます。
限界反応物と理論上の生成量については、OpenStax『Chemistry 2e』4.4を参照しています。この計算は副反応や平衡を考えない前提です。反応率・収率が指定されたら、その条件も別に反映します。
計算ミスを単位・係数・条件に分ける
解き直しでは、答えだけでなく、最初に関係が崩れた行を確認します。「モル計算が苦手」とまとめず、直す対象を分けるためです。
| つまずき | 確認する場所 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| gに係数比を直接掛けた | 係数比を使う直前の単位 | 対象物質のモル質量でmolへ直す |
| 係数比が逆になった | 出発点と求めたい物質の名前 | 求めたい側の係数を分子に置く |
| 原子量をそのまま使った | HとH2、OとO2の区別 | 化学式全体からモル質量を求める |
| 両方が全部反応すると考えた | 十分な量・過剰・各反応物の指定量 | 不足する側と余る側を先に決める |
途中式にはn(H2)、n(H2O)のように物質名も残します。どちらもmolだからこそ、単位だけでは物質の取り違えを発見できないことがあります。
復習では、誤った行の横に「係数を使う前にgをmolへ」「水素全部ではなく酸素を基準に」のように、次回の確認動作を1行で書きます。ノートの量を増やすためではなく、同じ誤りを見つけるための記録です。
よくある疑問を整理する
毎回molを経由しないといけませんか?
質量比を正しく求めていれば、比で直接計算することもできます。ただし、係数比と質量比を混同している段階では、molを経由して関係を確かめる方が、どこで間違えたかを見つけやすくなります。途中式の形式を入試で義務付ける話ではありません。
係数を2倍にしたら答えは変わりますか?
変わりません。2:1:2を4:2:4にしても物質量の比は同じです。反応式を整える際は化学式の右下の数字ではなく、前に置く係数を変えます。右下の数字を変えると、別の物質になってしまいます。
「酸素は十分にある」と書かれていないときは?
他の反応物の量や、反応が進む条件を確認します。両方の量があるなら不足する側を判断できますが、条件が不足していれば生成量を一意に決められない場合もあります。解説の前提を勝手に別の問題へ持ち込まないようにしましょう。
次の1問で確認すること
次に解く量的関係の問題では、計算前に「反応式・与えられた量・求める量」を分けて書いてください。そのうえで、次の4点を自分で説明できるか確認します。
- 係数比は、消費・生成されるmolの比だと言えるか。
- 各物質のモル質量を化学式から求められるか。
- 出発点の物質から目的の物質へ、係数比を正しい向きで使えるか。
- 両方の量があるとき、不足する物質と残る量を分けられるか。
まずは質量から生成量を求める問題を1問、その後に両方の反応物の量が指定された問題を1問選ぶ、という練習ができます。答えを覚えるのではなく、物質名と単位を変えずに手順を説明できることを目指しましょう。
理論・無機・有機を含む全体の進め方は、関関同立の化学対策ガイドで整理しています。本記事では、量的関係の入り口に絞って取り組んでください。
化学で反応式は書けても計算に迷う方へ
molへの変換、係数比、問題の条件のどこで止まるかを確認すると、戻る単元を絞れます。現在の答案や使っている教材をもとに、化学の学習の優先順位を整理しましょう。
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公式LINEで無料学習相談する係数比を覚え直すだけでなく、係数を使う直前の単位を確認しましょう。次の1問でmolを経由する流れと、不足する側の判断を説明できれば、量的関係の見直しが具体的になります。